県は20日、東日本大震災によって岩手県で発生したがれき(木くず)の県内受け入れが、25日までに終わると発表した。県内に持ち込まれるがれきの見込み総量は1万1300トンで、14年3月までかかる予定だったが、10分の1以下の1065トンにとどまる見通しとなり、約1年3カ月前倒しされる。現時点で、岩手県が新たながれきの受け入れを要請する予定はない。

岩手県野田村周辺で発生した木くずで、県内のセメント工場3カ所に受け入れてきた。搬入にあたって、放射性物質の濃度について7段階11項目の検査を実施してきたが、これまでに受け入れ基準(1キロ当たり100ベクレル以下など)を超えたケースはない。

県によると、木くずの総量が大幅に減ったのは、推計量の計算に使った比重の計数が実態よりも重かったり、柱材と角材で100%とされたがれきの山に土砂などが混ざっていたりしたためという。

県内への受け入れは9月6日から始まり、岩手県が今月19日付で搬出の終了を通知した。工場別の受け入れ予定量は、太平洋セメント熊谷工場(熊谷市)392トン▽同社埼玉工場(日高市)224トン▽三菱マテリアル横瀬工場(横瀬町)449トン。【木村健二】