戦争阻止へ、今が歴史の転換点
            無関心と沈黙は加担になる
                                

  8年後、子どもが兵士になる!?   戦争できる世代の形成を狙う安倍政権
今年の歴史教科書に「尖閣諸島」「竹島」が「日本の領土」として記載されました。また、沖縄戦での集団自決について、日本軍が島民に対して果たした犯罪が記載されませんでした。侵略戦争における日本の加害の歴史を削り、子どもたちに「日本は誇りの持てる国だ」と愛国心を植えつけ、「不当にも領土が侵犯されている」と教えています。安倍は、「尖閣諸島」を戦争の最前線として守る気概のある、若き戦士を育て上げる狙いです。

 子どもたちへの教育は、彼らの人生を左右します。1889年の大日本帝国憲法発布から5年後の1894年には、日清戦争を起こしました。これを担い、旅順大虐殺まで行ったのは若者です。
 その親の世代は「徴兵・徴税一字の違い、腰にサーベル鉄鎖」と言って、徴税反対一揆で抵抗していました。しかし、天皇制教育を初めて受けた子どもたちが、親を乗り越え、侵略戦争を担ってしまったのです。


全国民への教育―マスコミ報道
今日、安倍政権によるマスコミ支配は、既に相当な規模で進んでいます。NHKには、会長の籾井勝人を始め「南京大虐殺は無い」と言う経営委員の百田尚樹、朝日新聞社襲撃の右翼を賛美する長谷川三千子など極右の人選を行っています。
 改憲主張の産経・読売は論外ですが、他の大新聞も、改憲動向や日本の核武装である原発国策などへの徹底的な批判は避けてきました。その結果、どんどん報道は政府報道を垂れ流す機関に追いつめられきました。安倍は戦前の大本営発表を行うマスコミに変えて、全国民を侵略思想へと洗脳を狙っています。

 

中国脅威を煽り、戦争国家へとつき進む安倍政権
中国包囲網は侵略政策
安倍は「中国が尖閣諸島に攻めようとしている」「日本人ならば血を流してでも領土を守らなければならない」と主張し、大宣伝しています。
 そもそも「尖閣諸島」については、1972年日中共同声明で「両国はこれ(領土問題)に触れない」ということで一致しています。ところが1978年、大日本赤誠会が、海上保安庁の制止を振り切り、島に上がり日章旗を立てる事件が起きました。
  1978年10月23日「日中平和友好批准書」交換の際に、鄧小平は来日し、「国交正常化の際、両国はこれに触れないことで一致した。・・・こういう問題は一時棚上げしても構わない。次の世代は我々より、もっと智慧があるだろう」と、日本の右翼による尖閣諸島への上陸を荒立てないと語りました。当時は日本政府も同じ姿勢でした。
 ところが、2012年に右翼石原都知事が尖閣諸島を「東京都が購入する」と発表し、弱腰だと政府を突き上げました。その流れで日本政府は尖閣諸島を国有化してしまいました。
 情勢が大きく変わったのは安倍政権の誕生からです。彼は、尖閣諸島を日本固有の領土だとして大キャンペーンし始めました。更に、靖国参拝、歴史認識で中韓・世界を震撼させます。
  日本版NSC(国家安全保障会議)と特定秘密保護法を「両輪」とする戦時体制作りを行いつつ、尖閣諸島を舞台に対中国への憎悪や敵対心を煽り、領土・国家を守ろうと安倍政権は総力を挙げて扇動を行っています。今や尖閣諸島は日中の偶発戦争の危機を孕む緊張の海域になってしまったのです。
  マスコミの責任は重大です。尖閣諸島の日中平和条約やそれ以降の歴史的経緯を何ら主体的に検証することなく、政府の主張を垂れ流してきました。尖閣諸島への警備艇と航空機による準戦時体制によって中国に対する排外主義が煽られ、今日のヘイトスピーチ・嫌韓デモが生み出されているのです。私たちは、こうした状況を一体的に捉え、デマ扇動と対決しなければなりません。(韓国の竹島・「慰安婦」・強制連行問題などについては紙面の関係で略しました。次号)

中国への最前線基地ー沖縄
 4月19日、小野寺防衛局長が与那国島の自衛隊基の地起工式に出席しようとしましたが、「着工を許さない!」と抗議する島民によって会場入りを阻止され、式典が遅れました。与那国島は台湾まで100キロ、尖閣諸島まで約150キロに位置する国境の島です。島民1500人の島には駐在がわずか2人。中国や韓国の漁船が立ち寄り、島民と宴会が行われていました。しかし、ここに自衛隊の基地ができ、最前線基地となれば、平和の島でなくなります。
 稲嶺市長は2月13日の記者会見で「日米地位協定では、基地・・沖縄だとは一言も言っていない。他に受けるという所がないから(辺野古)という理由だ。」「日本の民主主義を問う必要がある」と、強権発動する政府を強く批判しました。政府が強行を宣言している辺野古基地とは、現在は米軍基地ですが、やがて、日米共同使用へ。将来は日本の軍事基地にする目的です。沖縄における基地反対闘争に対して、問われているのは本土の私たちの闘いです。

 

草の根の運動で戦争を阻止しよう!
 日本は、米国一極集中の時代から、米国の相対的後退を見据え、多角的な同盟関係を目指しています。そして、安倍は国会で解釈改憲と、今秋関連する自衛隊法の改定を進めようとしています。併行して、安倍は数年で明文改憲を目指しています。
 政府は国民の大衆的運動の高揚を恐れ、集会・デモ・ネットなどの規制を狙っています。原発・TPP反対、労働者、農民、子どもを守る全ての人々が結びついて行動すれば、戦争への道を阻止できます。
 各地域・草の根から戦争を阻止するためにあらゆる闘いをつくりあげましょう。(事務局 村山和弘)

 

毎週水曜日12時~北陸電力前 ランチタイムアピールやってます!! 

支援物資・カンパ募集

福島の仮設住宅に支援物資を送ります。米・野菜や日常品、カンパ募集しています。

6月23日(金)12時から富山東別院会館前

企画の案内

おすすめの本

前田朗著「慰安婦問題の現在」

「朴裕河現象」と知識人 

 増田都子著

「昭和天皇は戦争を選んだ!」    

串崎浩著「田んぼの真ん中、はぐれ雲
 自立する若者たち」

青木泰著

「引き裂かれた『絆』」

小西誠著

「自衛隊この国営ブラック企業」

警察崩壊 つくられた“正義"の真実  原田宏二著